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鬼伝説

鬼コ

ONI FOLKLORE

鬼伝説

弘前市・平川市

鬼は、一般的には怖くて悪い妖怪みたいものと思われていますが、津軽の鬼は、山や川の自然界のように、厳しさと恵みを合わせ持つ神のような存在です。昔語りでは、山から里におりてきて困っている人々を助けて働き、時には一緒に遊ぶこともある、やさしい心と大きな力を持った頼れる兄貴のようなもの。現在でも、災いを払ったり、子供の成長を見守ってくれる尊い神様として大切に思われています。

紹介している施設は、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響から、休館等の対応をしている場合があります。訪問する際は事前にご確認ください。

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1 鳥居の鬼コ

個性豊かな鬼コを探す旅

津軽平野には無数の神社がありますが、村の鎮守さまは厳しい環境で生きてきた人々の心の支えでした。水害が多かった岩木川流域には全国的にも珍しい「鳥居の鬼コ」が鎮座している神社がみられます。鬼コは、色も形も表情も個性豊か。両肩で鳥居を支えながら、災い(天災や疫病)が集落に入り込まないようにしっかりと睨みをきかせています。鬼コの後ろ姿にも注目。キュートなおしりは、赤いふんどしや柄付きのパンツ、ハイレグやおむつを履いているように見えます。津軽独特の「鳥居の鬼コ」は約40体あると言われ、コンプリートするのも楽しいです。ここでは古津軽地域にある9つの鬼コを紹介します。
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ブログ「まるごと青森」鳥居の鬼コ記事にMAPなどが掲載されています。
http://www.marugotoaomori.jp/blog/2011/02/12784.html

「鬼コの塗り絵」や「鬼コカード」が登場!

鬼コの塗り絵は下記サイトから無料ダウンロードできます。
鬼コやその近隣の飲食店などの情報がわかる鬼コカードも登場!
(カードは数量限定のため、無くなり次第終了となります。ご了承ください。)

https://www.pref.aomori.lg.jp/
soshiki/kenmin/ch-renkei/kotsugaru.html

  • 鬼のお土産01
  • 鬼のお土産02
鬼のお土産03
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鬼沢村の鬼神社01
  • 鬼沢村の鬼神社02
  • 鬼沢村の鬼神社03

2 鬼沢村の鬼神社

福は内、鬼も内!

岩木山のすそ野のりんご畑と田んぼにはさまれて、「鬼沢」という集落があります。鬼沢では節分のかけ声は「福は内、鬼も内!」。豆まきをやらない家も多くあります。鬼沢にとって鬼は恩人。鬼を払うことはしません。ここの鎮守さまは、「鬼神社(きじんじゃ 通称:おにじんじゃ)」という名前の「鬼を祀った神社」です。昔、鬼沢村の青年・弥十郎が、岩木山の鬼と仲良くなり、相撲をとって遊んでいました。村が水不足で困っていることを話すと、鬼は一夜で水路を作り、干ばつから村を助けてくれました。鬼が使ったクワやノミを奉納したのが「鬼神社」の始まりと言われ、全国でも珍しく拝殿に古い農具が飾られています。

鬼神社アクセス
青森県弘前市鬼沢字菖蒲沢
JR弘前駅からバス約40分(鰺ヶ沢線・堂ヶ沢線)、 「鬼沢」バス停下車、徒歩約5分(約500m)
鬼沢村の鬼神社04

ツノがない鬼
にんにくが
大好物!

心優しい鬼に感謝して、鳥居や拝殿の「鬼」の漢字には、ツノ(ノの字)がありません。また、6月終わり頃のお祭り「宵宮」では鬼沢の鬼の大好物である「にんにく」が境内で売られます。鬼沢のにんにくは生でも美味しい、貴重な在来種です。

鬼沢村の鬼神社05

お土産にもぴったり!かわいい鬼のアイテム!!

鬼の絵馬や御守り等、鬼神社には鬼のアイテムがたくさん。特に「鬼の金棒」の御守りは人気で、お土産にもぴったり。(宵宮の時など販売しています)

  • 鬼のお土産01
  • 鬼のお土産02
鬼のお土産03
柏の木

りんご畑の中に!?
鬼が腰掛けた「柏の木」

岩木山の裾野に広がるりんご園の中に大きな柏の木があります。枝がまるでベンチのように広がっていることから、「鬼の腰掛け」と呼ばれています。鬼沢村の弥十郎と仲良くなった鬼は、柏の枝に腰掛けて、弥十郎が持ってくる食べ物を食べながら、困りごとを聞いたり、知恵を授けたとのことです。柏の木は、幹周り約3.6m、推定樹齢は700年。青森県天然記念物に指定。柏は新芽が育つまで落葉しないことから、子孫繁栄で縁起が良いとされ、柏餅に使われるようになりました。車で10分ほど行くと「鬼の土俵」と呼ばれる、ふたりが相撲を取って遊んだという神秘スポットもあります。

柏の木アクセス
青森県弘前市鬼沢字猿沢
JR弘前駅からバス約40分(鰺ヶ沢線・堂ヶ沢線)、「鬼沢」バス停下車、徒歩約5分
鬼神社から徒歩約10分
赤倉の鬼

柏の木の遥か先に見える
巌鬼山には
修験の場「赤倉霊場」

岩木山の頂きのひとつを「巌鬼山(がんきさん)」と言います。巌鬼山は赤倉山ともいい、鬼が棲むとされ、山の中腹の「赤倉」には津軽最大の霊場がありました。今でも名残があり、ゴミソ、カミサマという行者が修行した小屋や社殿が多数残されています。

赤倉山神社アクセス
青森県弘前市百沢東岩木山1-39
JR弘前駅からバス約45分(鰺ヶ沢線)、「赤倉神社登山口」バス停下車、
徒歩約1時間(約4.5km)
  • 赤倉山神社01
  • 赤倉山神社02
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巌鬼山神社01
  • 巌鬼山神社02
  • 巌鬼山神社03

3 巌鬼山神社

「鬼」の字がつく
もうひとつの神社

「巌鬼山(がんきさん)」を臨む里、十腰内(とこしない)に厳鬼山神社はあります。十腰内は縄文遺跡も発掘されていて、古くから人が多く住んでいた地域でした。
社伝によると創建は796年で、もともとは岩木山の山の上に奥宮だけがあり、坂上田村麻呂の奥州平定の際に、山のふもとに下宮が建立されました。
厳鬼山神社は、津軽の山岳信仰の発祥の地とされています。しかしここからの山道は険しすぎたこともあり、神様のお告げもあって、平安時代末に岩木山の南側(現在の岩木山神社)へご神体を遷すことになりました。

  • 厳鬼山神社04
  • 厳鬼山神社05

「鬼」がいる
パワースポット

遷座後も人々の厚い信仰が絶えず、弘前藩により観音堂が再建され、明治に厳鬼山神社となりました。境内は、大杉に囲まれ、清水が湧き、厳かで清々しい空気に包まれています。厳鬼山神社は、津軽のパワースポットとしても知られています。

青森県弘前市を舞台とした漫画「ふらいんぐうぃっち」のコミック第1巻の表紙のロケ地となっています。

柏の木

巌鬼山神社がある
十腰内の「鬼」の
昔語り。

一説には、昔、美しい娘を持った村の鍛冶屋が、「一晩に十腰(10本)の刀を打てる男になら娘をやろう」と言っていたところ、鬼がやってきて本当に十腰の刀を打ってしまいました。鍛冶屋は困って、鬼が眠ったすきに一腰(1本)の刀を隠しました。目覚めて刀が九腰しかないのに気づいた鬼は、「十腰無い!(とこしない)」と嘆き、娘を諦めて山に帰っていったとのこと。岩木山周辺には、製鉄(たたら場)の遺跡も多く、鉄と鬼にまつわる伝説が生まれたのでしょう。

巌鬼山神社アクセス
青森県弘前市大字十腰内猿沢78-7
JR弘前駅からバス約50分(鰺ヶ沢線)、
「十面沢西口」バス停下車、
徒歩約20分(約1.5km)
※「社会福祉法人健誠会 いわきの里」の
近くに神社があります。

宮司さんのところにいる
かわいい猫に癒される!

神社のすぐ隣にある宮司さんのお宅(社務所)に御朱印をもらいに行くとたくさんの可愛い猫がお出迎えしてくれます。
猫好きな方にはおすすめ!

  • 神社と猫01
  • 神社と猫02
神社と猫03
鬼伝説の地図

「鬼伝説」の地図

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